Messagesメッセージ
ジェネラル・プロデューサー
真木 太郎
プログラム・ディレクター
数土 直志
新潟国際アニメーション映画祭実行委員会
委員長 堀越謙三
なぜ新潟でこの映画祭を開催するのか?
新潟ではこの約30年の間に3000人のアニメ、マンガのクリエーターが専門学校を中心に育成されている。人材育成では日本で最も実績があり、さらに開志専門職大学にはアニメ・マンガ学部があり、新潟大学にはアニメーション研究室がある。これはアニメーションの技術者だけではなく、プロデューサー等も含めた、アニメーション業界が必要とする人材を全て新潟で、しかも制作現場で育成できる、ということを意味します。
また新潟は、ロシア、朝鮮半島、中国に向かった日本海最大の国際貿易都市として、300年以上の歴史を持つ。それはイタリアのジェノヴァやヴェネツィアなどの地中海に臨んだ海洋都市、あるいはドイツのハンブルクなど、北海に臨んだハンザ同盟都市と同様に、新潟は幕府統治の時代でも、自ら統治しようとした市民都市としての歴史と、海洋都市という地勢が、クリエーターに必須の自由な想像力、批評精神を培ってきたはずだ。
その土壌こそ新潟が多くの著名なマンガ家やアニメーション・クリエーターを輩出してきた根拠であり、この映画祭を開催する理由だと言える。また新潟は海外貿易ばかりでなく、映画祭のロゴに採用した北前船で、北海道から京都へと最高の食材を運び、新潟の発酵文化とともに、日本食の味の基本を決める役割も果たしたといえよう。
新潟は日本一の酒どころ。さらに九州一周に匹敵する海岸線から採れる、案外知られていない多様な海産物を食べながら、熱くアニメーションを語り合える場所を提供して、新潟で国際映画祭を開催するもう一つの、重要な根拠にしたい。
堀越謙三:映画プロデューサー、ユーロスペース代表、開志専門職大学アニメ・マンガ学部長、東京藝術大学名誉教授
製作した映画には例えば、レオス・カラックス「アネット」、アッバス・キアロスタミ「Like Someone in Love」、フランソワ・オゾン「まぼろし」、ウェイン・ワン「スモーク」など、著書に「インディペンデントの栄光」(筑摩書房)