Forumフォーラム

特集上映

CHINA NOW

1990年代まで、中国はアニメーション映画の製作に非常に積極的だった。スタジオは多くの長編映画やテレビシリーズを作った。しかし、1990年代初頭の中国の経済状況が、独立系アニメーション映画の製作を終焉させ、旧世代の技術と専門知識を引き継ぐ新しい世代が途絶える結果となった。2000年代初頭、状況が一変する。他の芸術分野の人々がアニメーション映画を作り始めるが、旧世代の作家から学ぶことができず、さまざまな工夫をこらす。たとえば、SUNXun(1980年生まれ)は、短編アニメ「Shock of Time」(2006)でブレイクしたが、短編映画ではなく、インスタレーションとして発表された。アニメーション制作の伝統に縛られない、新世代のビジュアルアーティストがさまざまなメディアを試す。さらに彼らアーティスト/アニメ作家は、国際映画祭のサーキットで自分の道を見つけていく。中国では今、大手アニメーションスタジオ以外で、新しい作り手によって、長編アニメーション映画がいくつか制作され始めている。

企画
Gerben Schermer/ゲルベン・シュケルマー

アニメーションと現代アートのキュレーター。
元オランダ国際アニメーション映画祭ディレクター。

【上映】

【部分上映とトーク】

AIによるアニメ表現の行方

最初はアニメーションのみだったが、Open AI Soraの登場により、「実写映像」をプロンプト(ユーザーが入力する指示や質問)によって生成することが可能となった点は大きな進歩と言える。また、Domo AIに代表される「実写映像をアニメ化する」アプリケーションも発表され、実写映像とアニメーションの境界が曖昧なものになりつつある点も重要である。上記のAI技術を組み合わせることによって、実写、アニメを問わずに長編映像作品を個人で制作することが可能となる下地はすでにできつつあると言えるだろう。